美女採集の原点とは
GWの最終日は、表参道ヒルズで開催されていた
「清川あさみ個展 美女採集」を見に行ってきました。
最終日ということもあって、会場は盛況でした。
女性が9割、ちらほら男性がいるという印象でした。
私がこの個展を見ようと思ったのは、たしか夕方の情報番組で
清川さんの話と個展の特集とメイキングのシーン
「ゆりやんレトリィバァ×エボシカメレオン」
の写真と刺繍のアートを見てしまったから。
”ん?なにこれ?”って思い、
ビビっときたのでそのまま時間を作って表参道に行ったのでした。
この個展の趣旨を知らない方もいると思うので簡単に説明すると、
「女優やモデル、ミュージシャンなど、
社会で活躍する”輝きを放つ女性”を撮影し、
その人の内面や本質的な部分を動植物が持つ習性に見立て、
写真に刺繍をすることで”採集”するシリーズです。」
とのこと。
うーん、すごい。。。。
写真に刺繍をしちゃうアイデアもすごいけど、、、
その内面を動植物に見立ててアートに表現するなんて。。。
しかもそれを「採集」というセンス。。。。
考えもつかなかった発想に、刺激を受けて
「これは見なくちゃ!!」
と思って馳せ参じたのが今日の表参道詣のきっかけでした。
こんな感じの電工看板がお出迎え。。なんともシュールな世界観。。
期待値が膨らみます。
ネタをばらしてしまうと、
会場は写真撮影禁止だったので、見たままの感動を持ち帰りたくて、
写真集は買う気満々でした。(笑)
そして、会場限定 先行発売の写真を買ってしまいましたよ。
2冊も!w
下の書籍が新刊で、上のものが古刊です。
古い方が「美女採集」で、新刊は「採集」というタイトルでした。
表紙に書かれている言葉
「美しければ美しいほど闇は深い。
清川あさみは、その闇さえも夢見る星のように採集する。」
この言葉は深いですね。
そもそも清川さんは「美女」を「採集」しているという言葉を使っているものの、
単に「きれいな人」ということが「美女」ではない、と言っています。
むしろ、容姿的なものではなくて、
心に抱える不安や見え隠れする影のような部分に、すごく共感する部分があると。
そして、彼女は、取材対象(=採集対象)の女性には最初はゆっくり会ったりせず、
その方の内面=本当の姿について想像巡らせます。
ネットから見えるその人の本質、そこからテーマやコンセプトを決めることもあるそうです。
現場では即興的に、衣装を作ったり、そして写真ができた後
その写真そのものにも刺繍をします。
その結果、その方の内面=本当の姿が現れたときに、
彼女は、その美しさを”採集”できたと実感します。
とおっしゃっています。
ああ、だから”採集”なんだと至極納得もして、
そして、作品からあふれ出る力を感じるのも
彼女が息を吹き込んだ美しさがレイヤーになって重なっているからなんだと
実感できました。
内面を増幅させる刺繍の世界
彼女の作品の一番特徴的な部分は、「刺繍」での輝きの立体化です。
こちらで、写真集の一部を少しだけお見せしますが、
実物は刺繍のきらめきと、立体感、キラキラする石が見事に作品と溶け込んでいて
どの女性も彼女の手にかかると「美しさ」が増幅していました。
<ゆりやんレトリィバァ×エボシカメレオン>
<黒木メイサ×馬> ※こちらは美女採集より
<江口のりこ×リクガメ>
<菅原小春×アカカザリフウチョウ>
<伊東美咲×白クジャク>
本当にたくさんの展示があって、目も心も楽しませていただきました。
そして、この展示を見に行ったもう一つの目的は
秋に撮影する私のポートレートのイメージ決めのため。
WEbサイトのヘッダーをリニューアルしようと思ってまして
そのアイデアが欲しくて見に行ったというのも、もう一つの理由でした。
おかげさまでかなりいいアイデアが浮かびました。
あとはそれが現実化できるかどうか。
これはまたじっくり練ってみたいと思います。
個性と欠けているものは表裏一体
清川あさみさんの感性と私の感性は似ているので共感できたのかもしれません。
どんなところが似ているかというと、
「美女」は「コンプレックス」と共存していると思っているところ。
私は「欠けているもの」が「個性」になると信じているし、
実際に私も「欠けている人」だと自分のことを自分で観察しています。
人は今の私しか見ていないけど、
私には、こうなるべくしてなっている過去のコンプレックスもあります。
今、自分を表現することも楽しいし、いろいろな衣装を着たり、
いろんな自分を魅せたりしているけど、、、
もともとは、自分の容姿に興味もなく、
きれいだと言われても、
そんなものかなと思ったり、
そもそもお洒落をすることもなかったから、、。
色彩は好きだったけれど、それを自分に応用するところまではいかず、
どんくさい、メガネの女子高生。(笑)
そういう意味から考えても、
私もコンプレックスを昇華させて生きてきたのかもしれません。
だから「欠けているもの」が「エネルギー」にもなり、「個性」にもなると。
「光」があれば「陰」があるし、
「光」と「闇」は表裏一体。
いつでもそう思うのです。
コンサルテーションでは、クライアントさんご本人が
今見えていない未来でも、それは現在の世界にヒントと手がかりがあり、
まだ本人が気づいてなかったとしても、すでに心の中に内包している
「希望」があるのであれば
それを一緒に見つけ出して紡ぎだす作業をしたいと思っています。
多分、それがコンサルテーションの醍醐味だし、喜びなのかなぁと。
そして、この作業はさながら、
清川あさみさんが写真というキャンバスに刺繍を指していく作業と
似ているなぁと、
写真展を見ながら自分の仕事を振り返って考えた日なのでした。
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